社内申請・承認システムの開発費用 ── 経費・休暇・稟議を6画面で始める想定例
2026.10.23 公開
「経費の申請書が、部長の机の上で1週間止まっているんです」。申請と承認の相談は、だいたいこういう困りごとから始まります。申請した側は、自分の申請書がいまどこにあるのか分からない。差し戻しの理由は口頭で伝わり、総務は月末にハンコのそろった紙を集めてExcelに打ち直す。
この状態を画面にすると何枚になって、いくらかかるか。受発注や在庫で同じ型の記事を書いてきましたが、ここでは社内の申請・承認を扱います。出てくる会社も数字も架空の想定例です。
申請の紙は、どこで止まっているか
紙の申請が遅いのは、書くのに時間がかかるからではありません。止まっている場所は3つです。承認する人が出張や外出で机にいない。差し戻しが口頭で、申請した人が何を直せばいいのか分からない。承認が終わったあと、総務や経理が紙を集めて別の台帳に打ち直す。
画面にすると、1つ目はスマホから承認できることで、2つ目は差し戻しの理由が申請に残ることで、3つ目は承認済みの申請をそのままCSVで出せることで消えます。逆に言えば、この3つが起きていない会社は、紙のままで困らない段階です。
架空の想定例で、経費・休暇・稟議を6画面に並べる
従業員45名の部品加工の会社で、申請は経費精算が月に80件、休暇が40件、10万円以上の購入の稟議が10件ほど。どれも紙の申請書に上長がハンコを押し、総務1名が月末にExcelへ転記している、という想定です。
| 画面 | いま何でやっているか | 誰が使うか | |
|---|---|---|---|
| 01 | ログイン | ── | 全員 |
| 02 | 申請の作成 | 紙の申請書に書いて領収書を貼る | 全員 |
| 03 | 自分の申請一覧 | 総務に電話して状況を聞く | 全員 |
| 04 | 承認待ち一覧・承認 | 机に積まれた申請書にハンコ | 承認者 |
| 05 | 申請の検索・CSV出力 | 月末にExcelへ転記 | 総務・経理 |
| 06 | 申請の種類の設定 | 申請書の様式をWordで管理 | 総務 |
6画面です。経費・休暇・稟議の3種類があっても、画面が3倍になるわけではありません。種類ごとの入力項目と承認者は06で設定し、02はその設定に合わせて項目を出し分けます。あとから備品の購入申請や出張申請を足しても、06で種類を1つ増やすだけで、画面は増えません。
承認は1段階から始める
この話でいちばん議論になるのが承認ルートです。「10万円を超えたら部長、50万円を超えたら社長。製造部だけは工場長を通す」。金額や部署で承認者が変わるルートは、初期の範囲に含めていません。初期は申請の種類ごとに承認者を決めた、1段階の承認と差し戻しで始めます。
理由は2つあります。ひとつは、規程に書いてある順番と、実際に押している人が違うことがあるからです。規程上は課長の承認でも、実際には課長が部長に確認してから押している。この状態をそのまま画面にすると、承認が2回に増えるだけで速くなりません。もうひとつは、使い始めてから段階を減らしたくなることが多いからです。紙のときは気にならなかった3段階のハンコが、画面にすると「なぜ3人も見るのか」に変わります。作り込んでから減らすと、作る費用と直す費用が二重にかかります。
部署ごとに上長が違う会社では、06で申請の種類ごとに承認者の候補を決めておき、申請するときにその中から選んでもらう形にすれば、条件で分ける仕組みを持たずに始められます。分岐が本当に要るかは、2〜3ヶ月使ってから決めても遅くありません。
決裁が絡む業務は、最初の8週間に選ぶと苦労しやすいと複数の業務があるとき、最初の8週間にどれを入れるかに書きました。あれは承認ルートを作り込む前提の話で、1段階に割り切れるなら、申請・承認は最初の1つに選べる業務です。
ライトの範囲と、1年の費用
6画面・1業務フローなので、ライトプラン(初期50万円・税別、開発稼働最大50時間、月額20万円)の範囲です。1年目の合計は290万円(税別)になります。月額には運用保守と、月20時間分の改善が入ります。申請の画面は使い始めると「この項目を必須にしたい」「この種類の承認者を変えたい」が続けて出るので、その枠で直していく前提で考えてください。
同じ構成を費用シミュレーターで開くと、6画面の一覧とプランが出ます。「金額や部署で承認者が変わる」も選ぶと、初期に含めないものとして、1段階で始める旨が添えて表示されます。
いま払っているもののほうも想定例で並べると、経費80件を総務が確認して転記するのに1件10分なら月に約13時間、休暇と稟議の転記を足して月15時間前後です。これに、申請した人が状況を聞きに来る時間と、ハンコ待ちで止まる日数が乗ります。自社の件数と時間で置き換えてみて、月に数時間で収まるなら、まだ紙で困らない段階です。
ワークフローのサービスを借りる場合との分かれ目
申請と承認を電子化するサービスは、月額で借りられるものが複数あります。申請と承認だけを電子化したいなら、借りるほうが合うことが多いです。多段の承認ルートを最初から組みたい場合も同じで、そこは既製のサービスが得意とするところです。私たちに頼む必要はありません。
費用で比べるなら、申請は全員がするので、人数で課金される形なら利用人数は全社員です。上の想定例の45人なら、ライトの1年目290万円は1人あたり月約5,400円になります。手元の見積もりの1人あたり月額と並べてみてください。
作る判断になるのは、申請のあとの業務まで同じデータで流したい場合です。購入の申請が通ったら発注に進み、届いたら在庫に入れる。出張の申請が通ったら、そのまま経費精算の下書きになる。車両や設備の使用申請で、空き状況を見ながら申請したい。申請が業務の入口になっている会社は、申請だけを別のサービスに切り出すと、間をつなぐ転記が戻ります。申請者ごとに見られる範囲を細かく分けたい場合の考え方はノーコードで作るか、開発するかの形4に書きました。
初期に含めないもの
金額や部署で分かれる承認ルートのほかに、会計ソフトへの自動連携、有給の残日数の自動計算、過去の申請書の移行は最初の8週間に入れていません。会計ソフトへは05のCSVを取り込む形で始めます。有給の付与と残日数は会社ごとにルールが違うので、初期はいまの管理表を正とします。過去の紙の申請書は、そのまま保管しておけば足ります。
領収書を画像で添付して保存する運用にするなら、保存の要件は法令で決まっているので、紙をいつ捨ててよいかは顧問の税理士に確認してから決めてください。紙の申請書を残したまま画面も使う状態が続くと、二重になって紙に戻ります。その防ぎ方は作ったのに使われないシステムになる原因に書きました。
自社の場合が何画面になるかは、初回お打ち合わせ(60分・オンライン可)のあと、3営業日以内に画面構成のラフでお出しします。ここまで費用はいただきません。いま使っている申請書の様式を、種類ごとに1枚ずつ見せていただくのがいちばん早いです。
よくあるご質問
社内申請・承認システムを作ると、費用はいくらですか?
経費・休暇・稟議のような申請を1段階の承認で回す構成なら、ログイン、申請の作成、自分の申請一覧、承認待ち一覧・承認、申請の検索・CSV出力、申請の種類の設定の6画面で、1業務フローに収まります。ニカゲツのライトプラン(初期50万円・税別、月額20万円)の範囲で、1年目の合計は290万円(税別)です。申請の種類を増やしても、種類の設定で足すので画面は増えません。
金額や部署で承認者が変わるルートは作れますか?
作れますが、最初の8週間には含めていません。規程に書いてある承認の順番と実際に押している人が違うことがあり、使い始めてから段階を減らしたくなることも多いためです。初期は申請の種類ごとに承認者を決めた1段階の承認と差し戻しで始め、運用して必要な分岐が分かってから、月額の稼働時間の中で足すか、上位プランへの変更で足すかを相談します。
ワークフローのサービスを借りるのと、作るのはどちらがよいですか?
申請と承認だけを電子化したいなら、借りるほうが合うことが多いです。多段の承認ルートを最初から組みたい場合も同じです。作る判断になるのは、購入申請のあとの発注や在庫、出張申請のあとの経費精算のように、申請のあとの業務まで同じデータで流したい場合や、車両や設備の使用申請のように自社の業務に特有の申請が中心の場合です。
作りたいものを、
ひとつだけ持ってきてください。
初回お打ち合わせは60分・オンライン可。画面構成のラフとお見積りまで費用はいただきません。
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