社内システムは内製か外注か ── 4つの選択肢を1年の総額で並べる
2026.09.23 公開 / 2026.09.26 更新
社内で使うシステムを作りたい。この相談を受けたとき、私たちが最初に確認するのは予算ではなく、作りたいものが1つなのか、これから継続的に出てくるのかです。
そこで答えが変わります。1つなら外注、継続的なら内製を検討する価値がある。金額の比較はそのあとの話です。ただ、金額を知らないと判断もできないので、まず並べます。
1年目の総額で並べる
| 選択肢 | 初期費用 | 年間の継続費用 | 1年目合計 |
|---|---|---|---|
| エンジニアを1人雇う | 採用費 約133万円〜 | 人件費 600万円〜 | 730万円〜 |
| 開発会社に外注(スクラッチ) | 300〜1,000万円 | 保守 45〜200万円 | 345〜1,200万円 |
| SES・常駐フリーランス1名 | ── | 月60〜120万円 | 720〜1,440万円 |
| ニカゲツ(ライト) | 50万円 | 月20万円 × 12 = 240万円 | 290万円 |
金額は公開されている市場調査に基づく目安で、2026年8月時点のものです。価格は税別です。
この表だけ見ると結論が出てしまいそうですが、比べるべきは金額だけではありません。
1年後に何が残るか
同じ1年でも、残るものが違います。
雇う場合。 人が残ります。社内の業務を理解した人がいる状態は、長期的にはいちばん強い。ただし採用に時間がかかり、辞めたら振り出しに戻ります。1人目のエンジニアは、教える人も相談相手も社内にいない環境で働くことになるので、定着のハードルは高めです。
外注する場合。 システムが残ります。作り方を知っている人は社外にいるので、次に直したいときも相手に頼むことになります。契約にソースコードの権利が書かれているかは、必ず確認してください。
ここは口約束にせず、契約書のどこに書いてあるかまで確認してください。見る場所はシステム開発の契約書で、発注側が読むべき5つの場所にまとめました。
SESの場合。 稼働が残りますが、契約が切れると何も残りません。設計と進行管理は自社に残ったままです。「任せた」つもりが「自社で仕切る」になっている状態は、実際よくあります。
MVP開発の場合。 システムと、それを育てる体制が残ります。私たちの場合、リリース後12ヶ月の改善フェーズがあり、その間は月額の中で画面追加や項目変更をしていきます。ソースコードとデータはすべてお客様に帰属するので、途中で他社に引き継ぐこともできます。
MVP開発という進め方そのものについてはMVP開発とは何かに、8週間の中身は2ヶ月で作れるもの、作れないものに書いています。
判断が分かれる3つの条件
金額と残るものを踏まえて、実際の判断はここで決まります。
作りたいものは1つか、継続的に出てくるか。 1つなら外注が合理的です。年に何本も作る予定があるなら、内製の検討に入ります。ただし「あれもこれも作りたい」の多くは、1年経つと1本に減ります。
要件を決められる人が社内にいるか。 いないなら、SESは向きません。設計まで任せられる相手を探すことになります。
いつまでに使い始めたいか。 採用には3ヶ月から半年かかります。求人倍率が高い職種なので、そもそも採れるかも分かりません。来月から使いたいなら、選択肢は外注に絞られます。
私たちが向いているケース、向いていないケース
正直に書きます。ニカゲツが向くのは、作るものがまだ確定していなくて、小さく始めて使いながら育てたい場合です。エクセルと紙でやっている業務のシステム化、新サービスの検証。このあたりが本職です。
私たち自身も、表計算とフォルダで回していた研修事業の管理を26画面のシステムに置き換えて、社内で使っています。内製にあたる例ですが、作った人間と使う人間が同じなので、要件の往復がないぶん速く済みました。外注で同じものを作る場合との差がどこに出るかは、研修事業の業務コンソールの末尾に書いています。
向いていないのは、要件が完全に凍結されていて仕様書がある案件、基幹システムとの連携が最初から必須の案件、そして社内に開発チームを作ること自体が目的の案件です。最後のケースは、採用の相談をされたほうがいいと思います。
比べる前に、画面を数えてみてください
4つの選択肢を比べるとき、どれも「作りたいものの大きさ」が決まっていないと比較になりません。まず必要な画面を数えてみてください。数え方は業務システムの開発費用を、自分で見積もる方法に書きました。
10画面に収まるなら、どの選択肢でも1年以内に形になります。40画面を超えるなら、外注でも内製でも、段階を分ける計画が要ります。
初回お打ち合わせは60分・オンライン可で、提案まで費用はいただきません。話した結果「これは採用したほうがいいですね」となることもあります。
金額の比べ方をもう一段細かく見たい場合は、MVP開発の費用は、何で決まるのかに人月と画面数の違いを書いています。
よくあるご質問
内製と外注、どちらが安いですか?
1年目だけを見ると外注のほうが安く収まることが多いです。エンジニアを1人雇うと採用費が約133万円から、人件費が年600万円からで、合計730万円からになります。ただし2年目以降に作りたいものが継続的にあるなら、内製のほうが積み上がります。判断は金額より、作りたいものが1つか継続的かで分かれます。
SESやフリーランスに任せるのは違いますか?
手を借りられますが、設計と進行管理は自社に残ります。月60万〜120万円で1人分の稼働を確保できる一方、何をどう作るかを決める人が社内に必要です。そこを任せたいなら、設計から運用まで一貫して受ける形を探すことになります。
外注すると、あとで社内に何も残らないのではないですか?
契約次第です。ニカゲツの場合、ソースコードを含むシステムの権利も、運用で蓄積されたデータも、すべてお客様に帰属します。当社が権利を留保したり他の開発に流用したりすることはありません。契約前に、この点を明記した条項があるか確認してください。
作りたいものを、
ひとつだけ持ってきてください。
初回お打ち合わせは60分・オンライン可。画面構成のラフとお見積りまで費用はいただきません。
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