MVP開発の費用は、何で決まるのか ── 画面数で見積もる理由と、50万円に含まれるもの
2026.09.19 公開
「だいたいいくらですか」と最初に聞かれます。当然だと思います。ただ、この質問に即答できる開発会社はほとんどいません。理由は単純で、多くの見積もりが「何人が、何ヶ月かかるか」から逆算されているからです。作るものが決まらないと人数も期間も決まらず、人数と期間が決まらないと金額も出ない。
結果として、同じような相談をしても会社によって300万円と1,000万円が並びます。どちらもぼったくりではありません。積み上げ方が同じで、前提が違うだけです。この記事では、その構造と、私たちが画面数で数えている理由を書いておきます。
見積もりが10倍ぶれるのは、単価ではなく構造の問題
受託開発の見積もりは、たいてい人月で積み上がります。エンジニア1人が1ヶ月働く単価が50万〜150万円。ここに営業、PM、設計、テスト、それぞれの担当者が乗ります。4人が3ヶ月なら、単価80万円でも960万円です。
この構造でまずいのは、金額の大部分が「作る作業」以外で決まってしまうことです。会議、仕様書、進捗報告、伝言。どれも必要だと言われれば必要ですが、発注側から見ると、何にいくら払っているのかが見えません。
私たちは分業をやめました。初回のお打ち合わせで話した相手が、そのまま設計し、開発し、リリース後の運用もします。下請けもいません。だから会議も伝言も発生せず、人月の積み上げから外れられます。安いのは企業努力ではなく、構造が違うからです。
画面数で数える
では何を基準にするか。私たちは画面の数で数えています。ログイン画面、一覧画面、詳細画面、登録フォーム、管理画面。これなら発注側でも数えられますし、あとから「思っていたより大きい」が起きにくい。
| プラン | 初期費用(税別) | 画面数の目安 | 開発稼働(2ヶ月) | 月額 |
|---|---|---|---|---|
| ライト | 50万円 | 〜10画面(1業務フロー) | 最大50時間 | 20万円 |
| スタンダード | 100万円 | 〜20画面(2〜3業務フロー) | 最大100時間 | 20万円〜 |
| プレミアム | 200万円 | 〜40画面(複数部門・複数業務) | 最大200時間 | 30万円〜 |
実際の相談だと、ライトで収まる案件が一番多いです。たとえば会員向けの予約とチケットなら、サービストップ、予約フォーム、マイページ、運営のログイン、予約枠の管理、会員ダッシュボードで6画面。取引先ポータルで受発注と進捗を共有する形なら7画面。現場の日報と案件共有で6画面。いずれも架空の想定例ですが、画面を並べてみると「1業務フロー=10画面以内」に収まることが多いというのが実感です。
50万円に含まれるもの
初期費用の中身は、画面構成の設計から実装、テスト、初回リリースまでの一式です。それに導入時の使い方レクチャーが付きます。リリースしたあとの運用と改善は、月額のほうに入ります。
その8週間で実際に何をしているかは、2ヶ月で作れるもの、作れないものに週ごとに開けて書きました。何が入っていて何が入っていないかは、工程を見たほうが早いと思います。
機能としては、ログインと権限、通知、データの基本操作あたりが標準です。ログインの方式は用途で変えますし、そもそもログイン不要の構成にすることもあります。一覧、詳細、登録、状態の更新、CSV出力。地味ですが、業務で使うものはだいたいこの組み合わせでできています。
含まれないものも、先に書いておきます
決済、公的な本人確認、複雑な承認ルート、大規模なデータ移行、基幹システムとの連携。これらは初期費用には含めていません。
意地悪をしているわけではなく、どれも「作れるが、検証の前に作る必要がない」ものだからです。決済を載せるには審査も規約も要ります。承認ルートは、実際に使い始めてから「この順番は現実的じゃない」と分かることがほとんどです。先に作り込むと、作り直しの費用が二重にかかります。
必要になった時点で、月額の稼働時間の中で足すか、上位プランに変えるかを相談します。
逆に言えば、初期に作らない範囲を先に決めておくほど、金額は動かなくなります。決め方は開発会社に相談する前に、決めておくと話が早い3つのことにまとめました。
1年で見ると、どうなるか
初期費用だけを比べても意味がないので、1年の総額で並べます。
| 選択肢 | 初期費用 | 年間の継続費用 | 1年目合計 |
|---|---|---|---|
| スクラッチ受託(MVP相場) | 300〜1,000万円 | 保守 45〜200万円 | 345〜1,200万円 |
| エンジニア1人を雇う | 採用費 約133万円〜 | 人件費 600万円〜 | 730万円〜 |
| SES 1名(月80万円平均) | ── | 960万円 | 960万円 |
| ニカゲツ(ライト) | 50万円 | 月20万円 × 12 = 240万円 | 290万円 |
数字は公開されている市場調査に基づくもので、2026年8月時点のものです。価格はすべて税別です。
月額20万円には、運用と保守に加えて、画面の追加や項目の変更といった改善が月20時間分まで含まれます。何に何時間使ったかは毎月レポートでお出しします。上限を超えそうなときは事前に相談します。黙って超過分を請求することはしません。
安すぎて不安、と言われることについて
正直に言うと、よく言われます。相場の10分の1と書いてあれば、そう思うのが普通です。
なので、契約の前に画面構成のラフと見積もりをお出ししています。初回お打ち合わせが60分、そこから3営業日以内にラフが出ます。ここまで費用はいただきません。ラフを見て「やめる」と言っていただいて構いませんし、他社の見積もりと並べていただくのが、いちばん判断しやすいと思います。
金額の安さより、何が含まれていて何が含まれていないかが書いてあるかどうかを見てください。それが書けない見積もりは、あとで必ず追加になります。
そして見積もりのあとには契約書が来ます。どこを読めばいいかはシステム開発の契約書で、発注側が読むべき5つの場所に書きました。実際にどんな構成で何画面になるのかは、作れるものの例で画面単位まで公開しています。
よくあるご質問
MVP開発の費用相場はいくらですか?
公開されている市場調査では、スクラッチでのMVP開発は300万〜1,000万円程度が紹介されています(2026年8月時点)。金額の幅が大きいのは、人月単価50万〜150万円に対して、何人が何ヶ月関わるかで総額が決まるためです。ニカゲツは初期50万円(税別)からで、画面数を基準に範囲を決めています。
初期費用が安いと、あとから高くつきませんか?
初期を抑えられるのは、リリース後12ヶ月の改善契約(月額)とセットで料金を設計しているためです。開発だけで利益を出す構造ではありません。ライトプランなら初期50万円+月額20万円×12ヶ月で、1年目の合計は290万円(税別)です。追加見積もりで積み上がる形ではないので、先に総額が見えます。
画面数はどうやって数えるのですか?
ログイン、一覧、詳細、登録フォーム、管理画面といった単位で数えます。同じ一覧でも「絞り込みの条件が違うだけ」なら1画面として扱うことが多いです。初回お打ち合わせのあと、3営業日以内に画面構成のラフをお出しするので、そこで実際の枚数を見て判断していただけます。
作りたいものを、
ひとつだけ持ってきてください。
初回お打ち合わせは60分・オンライン可。画面構成のラフとお見積りまで費用はいただきません。
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