開発会社に相談する前に、決めておくと話が早い3つのこと
2026.09.19 公開
開発会社への相談は、準備しすぎなくていいと思っています。立派な仕様書を作ってから来られる方もいますが、正直に言うと、その多くは作り直しになります。業務を知っているのは発注側で、画面に落とすのはこちらの仕事だからです。
ただ、これだけは決めておくと初回から話が進む、というものが3つあります。10年分の経験則というほど大げさなものではなく、相談を受けていて「ここが空白だと止まるな」と感じる場所です。
1. 使う人を、役割で分けておく
いちばん最初に聞くのは「誰が使いますか」です。ここで「社員が使います」と返ってくると、だいたいもう一段掘ることになります。
役割が違えば見る画面が違います。現場のスタッフが入力する画面と、事務所で一覧を見る画面と、管理者が設定する画面。同じシステムでも別物です。逆に、役割が2つしかないと分かれば、画面数はぐっと減ります。
おすすめは、実在の人を思い浮かべて書くことです。「営業の田中さんが外出先のスマホで日報を入れる」「事務の佐藤さんが翌朝まとめて確認する」。この粒度まで来ると、必要な画面がほぼ決まります。属性ではなく、実際の作業として書いてみてください。
取引先や顧客が使う画面がある場合は、必ずそう言ってください。社内だけで完結するシステムと、社外の人が触るシステムでは、作るときの注意点がまったく違います。
2. 「今回は作らない」を決めておく
見積もりがぶれる最大の原因はこれです。作りたいものの話だけが続くと、金額は上振れし続けます。
そもそも見積もりが何で決まっているのかは、MVP開発の費用は、何で決まるのかに構造から書いています。
私たちは初期の開発に、決済、公的な本人確認、複雑な承認ルート、大規模なデータ移行、基幹システム連携を含めていません。作れないからではなく、使ってもらえるかが分かる前に作る必要がないからです。
この考え方は発注側でも同じで、「あったらいいもの」と「無いと業務が回らないもの」を分けておくと話が早くなります。判断に迷ったら、こう考えてみてください。それが無いと、来月から使い始められませんか。答えが「使い始められる」なら、今回は外していい機能です。
外した機能が消えるわけではありません。使い始めてから必要性がはっきりしたものを、順番に足していきます。私たちの場合はリリース後12ヶ月が改善フェーズなので、そこで足します。
8週間の中で何を作り、何を後回しにしているかは、2ヶ月で作れるもの、作れないものに週ごとに並べました。
3. 何を見て「うまくいった」と言うのか
3つ目がいちばん抜けやすく、いちばん効きます。
作ったあと、何をもって成功と判断しますか。日報の転記が月20時間から2時間になったら成功なのか。予約の電話が半分になったら成功なのか。新サービスなら、最初の1ヶ月で何人が登録したら次に進むのか。
これが決まっていると、機能の優先順位が自動的に決まります。「転記時間を減らす」が目的なら、入力画面の使いやすさが最優先で、集計のグラフは後回しでいい。目的が決まっていないと、どの機能も同じくらい大事に見えて、全部を同時に作ることになります。
数字でなくても構いません。「現場から不満が出なくなったら」でも判断基準になります。誰が見て判断するのかまで決まっていれば十分です。
3つが決まっていると、何が変わるか
初回お打ち合わせは60分です。この3つが決まっていると、その60分のうち40分を「どう作るか」に使えます。決まっていないと、60分まるごと現状の整理で終わり、提案は次回になります。
私たちの場合、打ち合わせのあと3営業日以内に画面構成のラフと見積もりをお出ししています。その精度も、この3つが揃っているかどうかで変わります。
| 決めておくこと | 決まっていないと | 決まっていると |
|---|---|---|
| 使う人と役割 | 画面数が見積もれない | 必要な画面がほぼ確定する |
| 今回作らない範囲 | 金額が上振れし続ける | 予算内で優先順位を決められる |
| 成功の判断基準 | 全機能が同じ優先度に見える | どこから作るかが自動で決まる |
準備できていなくても、来てください
ここまで書いておいて何ですが、3つとも決まっていない状態で相談に来られる方のほうが多いです。それで困ることはありません。整理するところから一緒にやります。
持ってきていただきたいのは、アイデアメモ、紙に描いた画面、参考にしたいサービスのURL、あるいはいま使っているエクセル。そのどれかがあれば十分です。専門用語も要りません。
初回お打ち合わせから提案まで費用はいただかないので、相談だけで終わっても構いません。ラフを見て「やっぱりやめます」も、こちらとしては普通のことです。
提案のときは、画面構成のラフと見積もりに加えて契約書もお渡しします。契約書で見ておくとよい場所はシステム開発の契約書で、発注側が読むべき5つの場所に、画面構成の例は作れるものの例にまとめています。
よくあるご質問
相談の前に仕様書は必要ですか?
不要です。アイデアメモ、紙に描いた画面、参考にしたい既存サービスのURLだけで構いません。むしろ、いま業務で使っている紙やエクセルをそのまま見せていただくほうが正確に把握できます。
ITに詳しい担当者がいなくても進められますか?
窓口はご担当者おひとりで大丈夫です。専門用語を使わない進行と、週次で実際に動く画面を見ながらの確認で進めます。判断していただくのは、業務として正しいかどうかだけです。
何から相談すればよいですか?
「誰の、どの業務を楽にしたいか」を一つだけお持ちください。初回お打ち合わせは60分・オンライン可で、提案(画面構成ラフとお見積り)まで費用はいただきません。相談だけで終わっても構いません。
作りたいものを、
ひとつだけ持ってきてください。
初回お打ち合わせは60分・オンライン可。画面構成のラフとお見積りまで費用はいただきません。
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