予約システムの開発費用 ── 6画面の内訳から考える、作る場合と借りる場合
2026.09.21 公開 / 2026.09.23 更新
「予約システムを作りたい」という相談は、だいたい2通りに分かれます。予約を受ける手段がなくて困っている場合と、予約は受けられているが他の情報とバラバラで困っている場合です。
前者なら、既存の予約サービスを契約するのがいちばん早いです。月額数千円から使えるものがいくつもあります。私たちに相談する前に、まずそちらを試してくださいと言うこともあります。
この記事で書くのは後者、つまり自社で作る判断になるケースの費用です。
まず、画面を数える
費用の話をする前に、何画面必要かを数えます。私たちが見積もりを画面数で出しているのは、これが発注側でも数えられる唯一の単位だからです。
会員向けの予約と回数券を1つにまとめる想定だと、こうなります。
| 画面 | やること | |
|---|---|---|
| 01 | サービストップ | メニューと予約枠をスマホで見る |
| 02 | 予約フォーム | 日時を選んで予約・変更する |
| 03 | マイページ | 予約履歴、回数券の残り、お知らせ |
| 04 | ログイン(運営) | 運営者が管理画面へ入る |
| 05 | 予約枠・お知らせ管理 | 枠の公開・変更、お知らせの配信 |
| 06 | 会員ダッシュボード | 予約状況、会員一覧、CSV出力 |
6画面です。利用者が見るものが3枚、運営が使うものが3枚。この構成なら、ニカゲツのライトプラン(初期50万円・税別、月額20万円)の範囲に収まります。
数えてみると分かるのですが、予約システムの画面の半分は管理側です。ここを忘れて「予約フォームだけ作ればいい」と見積もると、あとで足りなくなります。
ログインをどうするかで、体験が変わる
予約システムでいちばん離脱が起きるのはログインです。パスワードを作らせた時点で、予約をやめる人が出ます。
私たちは会員側をメールのリンクで入る方式にすることが多いです。メールアドレスを入れると届くリンクを押すだけで、パスワードの管理が要りません。運営側は管理画面なのでメールとパスワードで十分です。
この判断は費用にはほとんど影響しませんが、使われるかどうかには大きく影響します。設計の段階で決めておく項目です。
初期に作らないもの
オンライン決済、公的な本人確認、複雑なキャンセル料の自動計算。この3つは初期に含めていません。
決済は審査と規約の準備が要りますし、そもそも予約が入るかどうかを確かめる前に作る優先度が高くない。キャンセル料も、実際に運用してみて「このルールだと現場が困る」と分かることが多い工程です。
この「初期に作らない」の考え方そのものはMVP開発とは何かに書いています。MVPという枠組みの中心にある判断です。
先に作り込むほど、作り直しの費用が二重にかかります。使い始めてから、必要な順に足していきます。
借りる場合と作る場合の分かれ目
既存の予約サービスで足りるかどうかは、この3つで判断できます。
予約以外の情報を一緒に持ちたいか。 回数券の残り、会員ランク、来店履歴に応じた案内。予約サービスは予約の管理には強いですが、その周辺まで一体で持とうとすると急に窮屈になります。
予約データを他で使いたいか。 会計や在庫、顧客管理と繋ぎたいなら、自社のデータとして持っているほうが後が楽です。
画面を自分たちの言葉にしたいか。 業種特有の呼び方や、独自の予約ルールがある場合、既存サービスの画面に業務を合わせることになります。それが許容できるかどうか。
3つとも「いいえ」なら、既存サービスで十分です。私たちに発注する必要はありません。
1年で見たときの費用
自社で作る場合、初期費用だけを見ても判断できないので、1年の総額で考えます。ライトプランなら初期50万円+月額20万円×12ヶ月で290万円(税別)です。
月額には運用と保守に加えて、画面の追加や項目の変更といった改善が月20時間分まで入ります。予約システムは「使い始めてから直したくなる」典型なので、この枠があるかどうかは実際に効きます。
同じ構成を画面単位まで開いたものを会員向け予約・チケットのMVPに置いてあります。利用者が見る3画面と運営の3画面が、それぞれ何をする画面なのかまで書きました。
公開されている市場調査では、スクラッチでのMVP開発は300万〜1,000万円程度が紹介されています(2026年8月時点)。金額の幅が大きいのは、人月の積み上げで見積もられているためです。費用の構造についてはMVP開発の費用は、何で決まるのかに書きました。
自社の場合が何画面かは、ラフで出します
ここに書いた6画面は想定例です。実際には、店舗が複数あるか、スタッフ指名があるか、当日キャンセルをどう扱うかで枚数が変わります。
初回お打ち合わせが60分、そのあと3営業日以内に画面構成のラフと見積もりをお出しします。ここまで費用はいただきません。既存サービスで足りると判断した場合は、そうお伝えします。
予約以外のものも含めて、どんな構成になるかの例は作れるものの例にまとめています。
よくあるご質問
予約システムは既存のサービスを使うのと自社で作るのと、どちらが安いですか?
予約を受けるだけなら既存のサービスが安く、早く始められます。自社で作る判断になるのは、予約と別の業務(回数券、会員ランク、在庫、請求など)を1つにまとめたいときや、予約データを他のシステムと繋いで使いたいときです。予約だけが目的なら、まず既存サービスを試すことをおすすめします。
予約システムのMVPは何画面くらいになりますか?
会員向けの予約と回数券をまとめる構成で6画面が目安です。利用者が見る画面が3枚(トップ、予約フォーム、マイページ)、運営の管理画面が3枚(ログイン、予約枠の管理、会員ダッシュボード)。ニカゲツのライトプラン(初期50万円・税別)の範囲に収まります。
オンライン決済も入れられますか?
初期の範囲には含めていません。決済は審査と規約の準備が必要で、そもそも予約が入るかどうかを確かめる前に作る優先度が高くないためです。リリース後、予約が回り始めてから月額の稼働時間の中で検討します。
作りたいものを、
ひとつだけ持ってきてください。
初回お打ち合わせは60分・オンライン可。画面構成のラフとお見積りまで費用はいただきません。
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